世間ではよくETFと、そのETFのみ買い付ける投資信託のどちらが良いかという議論があります。
VTIと楽天全米株式インデックスファンド(以下楽天VTI)、VOOとSBIバンガードS&P500 インデックスファンドが比較対象としてよくあげられます。
結論から言うとリターンはわずかしか変わらないため完全に好みの問題だと思います。
ただし、投資を始めたての人は投資信託のつみたてをお勧めします。理由は手間が少なく、いらないことを考えずに済むからです。
ここではVTIと楽天VTIを定期買付、売買手数料、信託報酬、税金、再投資の観点からそれぞれ比較していきます。
ちなみにVOOとSBIバンガードS&P500 インデックスファンドもほぼ同じことが言えます。
買付
まず第一に投資信託は基本的に日本円での取引が可能ですが、米国ETFは基本的にドルでの購入になります。つまりドル転する分手間と手数料がかかります(その分、うまくやれば利益を上乗せすることもできますが)。円のままでも可能ですが、かなりレートが悪いためお勧めしません。
スポットでの買付は圧倒的にETFの方が良いです。ETFは株と同様に扱えます。つまり1日何回も注文でき指値などもできます。一方、投資信託は注文を入れて約定するまで数日間かかります。つまり、注文時の値段と約定時の値段で解離があります。値動きが激しいときはかなり使いづらいです。
続いてドルコスト平均法で積み立てる場合の比較です。
投資信託の場合、多くの証券口座で積立設定すれば、月々定額で買付ができます。つまり、最初に設定すれば自動で買付を設定を変えない限りやってくれます。定額買付はポートフォリオを管理する上で非常に有用です。
米国ETFの場合、定期買い付けの機能がある証券口座は日本だとSBIくらいです。つまり、毎月手動で買付を行わなければなりません。慣れると苦ではないのですが、最初はかなりハードルの高い作業だと思います。次にETFの場合は株単位で購入しなければなりません。つまり、単価の高いETFの場合微調整がしづらく、ポートフォリオの調整が厄介です。
買付に関していえばETFの方が良いですが、定期買い付けの手間という面では投資信託の方が良いです。
売買手数料
投資信託を積立購入する場合、購入時が無料になる商品が多いです。上にあげた商品は共にかかりません。
海外ETFの場合は手数料がかかります。ただしかなり手数料は安くなっています。2019年7月からSBI、楽天、マネックス とも最低取引手数料がなくなり、約定代金の0.45%(上限20ドル)となりました。
しかもマネックス であれば現在USAプログラムがあり、VTI,VOOとも手数料全額キャッシュバックされます。その他にもVT,IVV,SPYなども対象となっています。
ちなみに私の利用している海外証券会社は手数料はかかりますが日本のネット証券よりもかなり低水準です。
手数料に関しては投資信託の方が優位ですが、マネックス を利用すると同等になります。
信託報酬
これは明らかにETFの方が安いです。
楽天VTIはVTIのみを購入していくファンドです。つまりVTIを直接購入するのと違い、仲介にファンドが入るためその手数料として信託報酬が高くなります。ただし、そのおかげで手間はなくなります。
具体的にVTIの信託報酬は0.03%(2020年6月) ですが楽天VTIは0.16%(実質は2019年で0.23%)となり、数値上はそれなりの差があります。
ただし、0.23%であっても全体から見るとかなり良心的です。米国インデックス投資で信託報酬が0.2%台であれば十分許容範囲です。その程度の差で手間が減るのであれば十分考慮すべきと思います。
次回は税金と再投資について書いていきます。
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