保険とは可能性が低いものに少額の保険料をかけることで、もしその事象が起こってしまった際に多額の保険金を受け取ることができます。多額の保険金は多くの保険加入者の保険料から支払われます。
構造は宝くじとそっくりではないでしょうか。
宝くじは集まった金額のうち当選金は46.5%程とされています。そのほかは運営会社の利益や運営費となってしまいます。
保険ではどうでしょうか? 商品によりますが同様の割合が予想されます。
私の認識では保険とはギャンブルと似た性質を持ち合わせたものなのです。
流動性と時間の重要性
ここで質問です。
30 歳から60歳までのがん保険で、払済みの保険料が30年後減らずにそのままの額で帰ってくるという商品は魅力的でしょうか? 保険料は月々5000円で保険金は診断時一律200万円、中途解約では返金なしとします。
答えは人それぞれと思いますが私は上記商品には全く興味を持ちません。
お金については流動性と時間が重要です。保険はその両方を奪います。つまりそのお金では投資を行えずとても損をしているのです。
値段設定などは僕が適当につけたものですが、そもそも60歳までに癌を発症する確率は10%弱であり、それで得られるメリットも200万円と掛け金(満期で180万円)からしても少額のため保険としの魅力もほぼありません。
本当に必要?
保険はその性質上、原則として保険は基本的に損失が大きいが生じる可能性が低いものに対してかけるべきです。
当然人生の様々な局面で保険が必要になる時があると思います。例えば小さな子供がいる家族で夫のみが働かれている家庭(資産もあまりない場合)では生命保険も考慮すべきと思います。
しかし必要なのは最低限の掛け捨て生命保険です。
積立の保険や医療保険などは必要ないのです。
確率
詳しい数値はありませんが、基本的に保険は期待値が1以下になっています。私の予想では0.6-0.7あたりではないでしょうか。
つまり損する可能性が高いのです。
ただし、それでももしもの時のリスクが高すぎる場合は考慮すべきです。前述の家族では夫が亡くなってしまっては家族全員路頭に迷います。
しかしそれ以外の場合、つまり家計に余裕は多少あるけど心配だからという理由で入る保険はほぼ損をします。医療保険やその他の多くの保険は損をします。
人の心配をとにかく煽り「安心が一番だよね」といって勧誘してくる保険会社のやり方には本当に吐き気がします。卑劣です。マスコミもそうですが無知な人の不安を煽り知らない間にギャンブルにお金を投じているのです。しかもそれは全く楽しくありません。
保険といえば世間的には響きが良いため悪徳な商品を売りやすいのです。普通に考えてこれだけ保険の広告が多いのは異常と思います。私は保険の広告をパチンコのそれと同じと思っています。
※ただしあくまで確率なので得する人もいます。最終的な判断はご自身でお願いします。
積立保険は中途半端な商品
そこで登場するのが積立投資です。保険の特性をもちながらお金もたまると謳っています。これもかなり凶悪な商品です。そもそも保険なのに保険としての機能がほとんどありません。それに加え一定金額を長期間保険会社に預けなくてはいけません。しかも途中で解約するとかなりの額の手数料が取られます。たとえ満期になっても金利はほとんどありません。
これを営業マンはお金が減らないのに保険になる良い商品だと売り込んできます。私は以前勤めていた病院の院内郵便局でこの商品を勧められました。
まず第一に保険なのに保険としての役割、つまりもしもの時に多額の保険金が得られないのであれば本末転倒なのです。
これはお金の流動性および時間の価値をドブに捨てることなのです。さらに日本ではインフレ率が高くないですが、年々お金の価値は間違いなく減って生きます。つまり保険会社にお金を握られている間に価値が低下するのです。
では保険会社はその間どうやって稼いでいるのでしょうか? 集めた保険料で投資を行い資産を増やしているのです。つまり、ほとんど役に立たない保険をだしに私たちがもつお金の流動性と時間を使っているのです。
それなら保険などにお金をかけず自分で投資をした方が良いと考えるのは普通ではないでしょうか?
次回はプルデンシャル生命保険の罠についてお話ししよう思います。
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